このあいだ久しぶりにファミレスに行きました。
その時、ある物が無い事に気がつきました。
この数年間、ファミレスに行くたびに感じていた違和感。
それは「あれ」が消えている事に対する違和感だったんじゃなかろうか。
あれとは
一人でファミレスに行く男の中の男、ローンウルフ、孤高の一匹狼の特等席。
ファミレスのカウンター席。
ここ数年、行くファミレス行くファミレス、ことごとく存在しない。
私が入ったファミレスが、たまたま無い構造だったのかもしれません。
しかしグループまみれのファミレスに、一人で足を踏み入れ、一人である事に狼狽える店員の口から出る「カウンター席でもよろしいでしょうか」の響き。
一人カウンター席に佇み、会計で側に来た他の客の、異物を見るが如き刺すような視線。
群れる奴には一生縁がない、使われる事のほとんど無いカウンター、カウンター越しに話しかけるべき相手すらいないその空間を、一人で占有するあの優越感。
あれはもう、記憶の中だけの物になってしまったのだろうか。