二日目
今日はバイクを借ります。
ホテルの近所のレンタルショップへ。
既に何組かの先客がいました。
非英語圏の人らしく、コミュニケーションに苦労しているご様子。
やっぱり同じようなことを考える人は世界中にいるようです。
いよいよ自分の番。
日本語でOKという触れ込みでしたが、日本語でOKなのはネット予約の段階だけでして、ここでは一切日本語は通用しません。
辞書片手に挑みますが、事前の情報入手のおかげか、俺の人間性の深さか、すんなり進んであっさり終了。
借りるバイクはロードキング。
なんとほぼ新車のビカ物です。
ピカピカのバイクは気を遣うからちょっとやだなぁ、なんて贅沢は言えません。
一つ言った贅沢は、風防、フェアリングを外してもらったこと。
あんなもん無い方が、ローキンは絶対に格好いい。
説明を受け、盗難防止のロックを受け取りますが、これがなんとただのワイヤーロック。
日本では簡単に切断されて盗まれちゃう事から、役立たずの唯の紐糸呼ばわりのワイヤーロックです。
こんなもので盗難防止になるんですかね?
もしかして、日本のバイク盗難状況はアメリカよりも遥かに悪いって事だろうか!?
アメリカで路駐するより、横浜で路駐した方が危険だとぉ!?
日本の治安が良いってのも、一元的な見方でしかないのかも…。
気を取り直して早速バイクで路上へ。
想像以上に右側通行が怖い。
他の車がいる時は良いんですが、単独走行で交差点を曲がると、普段の習性で逆走することがしばしば。
命がいくつあっても足りませんよこれじゃあ。
でも暫く走っているうちに、まあなんとか慣れてきました。
とりあえずサンフランシスコ名物の急な坂に挑戦。
この坂が急勾配ってレベルじゃない。
新宿駅ロータリーの坂道も真っ青。
下手な車は登れないんじゃないですかね。
坂道の終わりは全方向一時停止なので、後続車はそのとんでもない急斜面で坂道発信をすることになる。
車体も重く、ブレーキの甘いハーレーだと、これが結構きつい。
下りなんて、1速でもエンブレが効かなくてすげえ怖い。
究極はロンバートの坂道。
超急降下で車一台がやっと通れる狭さで、しかも急激な連続S字カーブが延々と続く。
これに比べたらいろは坂なんて普通の山路です。
いやー、日本の道路設計はメチャクチャだと思ってましたが、上には上が居ます。
発展途上国とかもっとすごいんでしょうね。
だけどサンフランシスコを走っていて、気がついたことがありました。
多くのフリスコのドライバーはマナーをしっかり守る。
四方向一時停止では、皆さん必ず止まり、先に交差点に入った車に必ず先にいかせる。
日本みたいに一時停止もほとんど好い加減でスルスルっと何となく行っちゃったり、相手の方が先に入って来たのに強引に行ってしまうクズにはお目にかかりませんでした。
ハイウェイでの合流も、ワザワザ窓を開けてドウゾ、とやってくれたりして、東京位上にマナーが良い感じ。
名古屋とか大坂を思うと恥ずかしくなってくるぐらいでした。
アメリカの交通マナーは酷いと聞かされてたので、これには超びっくり。
超えて感動。
ここだけが特別なのかも知れませんが…。
さて、ガソリンを入れましょう。
日本のセルフの様にカード入れて…あれ?zipコード入れろ?取り敢えず日本の郵便番号を…って認識しない。
後から知ったんですが、アメリカ国内のzipコードじゃないと受け付けてくれないらしく、バイクを機械の横に置き、レジに行ってカード渡して機械番号伝えて再びバイクに戻って給油。
終わったらレジに行って給油量で再精算。
め…面倒くせ〜。
何が面倒臭いって、大抵こういう所で働いてるのはマイノリティーで、訛りが強くて聞き取れないんだよね。
でもしょうがない。
ってここで、また飛ばされることが。
黒人がナイスバイクつって店前で話しかけて来ました。
最初はサンクスっつって終わりかと思いましたが、給油を開始すると再度登場。
色々と話しかけて来たんですよ。
外国人との触れ合いは嬉しかったので、普通に受け答えしてたんですが、その黒人、突然自分はホームレスなんだと言い始めやがって、「いいなぁ、お前こんなバイクに乗れてよー、英語もよく喋れね〜のに。俺はホームレスになっちゃったよ、なんとかしてくれよ」と愚痴りだして、突如の緊迫。
相手の気を悪くさせないよう態度と言葉遣いに気を使いながら、一生懸命敬意を持って、でも卑屈にならないように付き合います。
やがて男は喋って気が済んだのか、男は笑顔で手を差し出して握手したら帰って行きました。
うひょーちょっと怖かったぜぇい。
さて、もっと右側通行に慣れる為に走ります。
ゴールデンゲートブリッジの近くまで行ってみますか。
なんとなくそっちの方向に向って走って居ると、目の前にどどーんと現れました、ゴールデンゲートブリッジ!
おお、これがゴールデンゲートブリッジかあ。
料金所が見えて路面が見えて…って、このままじゃ乗っちゃうじゃん!
料金の払い方もわからないのに!
帰り道なんてもっとわからない!
ヤバイ!
見ると、橋に乗る手前に抜け道が!
強引に降りると、そこは公園の中。
緑豊かな細いワインディングが続き、日本の山路そっくりです。
公園の中なので膝擦る奴は居ないでしょうが…。
やがて公園を出て街の中に。
今度はアメリカ的で、車が進行方向に対して直角に路駐していて、車道の間に自転車用レーンがある、典型的な広いアメリカ道路になっていました。
サンフランシスコはあちこち景色が違って良い感じ。
また町中を適当に走り、再びフィッシャーマンズワースで土産を物色。疲れたので4時にモーテルへ戻って一眠り。
一眠りしたら四時間以上も寝ちゃって、真っ暗な街を歩く羽目になってしまいました。
飯は何処で喰おう?
と考えながらフラフラしていたら、ゴミを漁っていたホームレス数人が缶を片手に寄って来ます。慌てて逃げますが、やがて歩道の先で若い黒人がたむろして居るのを発見。危険なので強引に反対側へ渡り、違う道から先に見えたバーガーキングに行くことにしました。
辿り着いたバーガーキングの入り口前にも、缶を手にしたホームレスが。
触れないよう、すり抜けてさっと店に滑り込みます。
ほおっ。
辿り着いた。
一番小さい奴とポテト、レギュラーのダイエットコークを買い、紙袋をブンブンさせながら、再び俺の行くてを阻むホームレスや黒人から逃げつつモーテルヘ。
いやーなんかテレビゲームみたいだったなぁ。
メタルギアだっけ?
あとはテレビを見ながらゆっくり食って、ゴロゴロ寝てこの日はおしまい。
明日はバイク、車関連の店を廻ります。 |