キャブ交換しても調整してませんでした。 面倒だったので。 しかし、スロットルを中くらいに明けたとき〜フルスロットル時の加速がイマイチで、時にはエンジンからカツカツ音も・・・。 やっぱり調整しましょう。 まずキャブに付いてきた英文マニュアルを辞書片手に読んでみる。キャブの燃料調整はだいたいで4項目あり、ミクスチャー、スロージェット、ニードル、メインジェットの調整となっている。 ミクスチャーとスロージェットはアイドリングとそこからほんのわずかスロットルを開けた状態の燃料調整をするもので、3割以上スロットルをひねった状態にはほとんど関係ない。 ニードルはスロットル開度が中間のあたり、つまり実用域での燃料を調整する。 メインジェットは半分以上からフルスロットル時に仕事をし、ハーフスロットル未満の状態にはまったく関係ない。 下はその表。グラフの高さがアクセル開度で、緑が濃いほどそのパーツが仕事をしているということ。 これを踏まえると、中間加速からフルスロットルまでの状態で不満があるワケなので、ニードルとメインジェットを調整することになりますな。 また、スロージェットは、結構キャブをばらさなければならない上、交換(スロージェットとメインジェットは、ジェットそのものの交換による調整となる)するための別のジェットが付いてきていないので今回はパス。 そして調整の基準ですが・・・。 本来はシャシダイに載せて、パワーごと空燃比センサーを使って計測するのが理想。 でもお金がないのでフィーリングで。 つーわけで、ニードルから早速いってみましょーか。 必要な専門工具は、かなり長目の六角レンチと、やはり長くて細〜いラジオプライヤー。
まずはキャブをバイクから外す。 ニードル調整するためにキャブの蓋を開けなければならないのだが、ネジがタンクの下に入り込んでしまっているので付けたままではできないからだ。 チョッパーでスポスタタンク付けている奴ならエアクリすら外さずに調整が可能。多分スポスタもOK。 ただ、完全に外す必要は無し。とりあえずキャブの頭の部分をいじれるようにすればいいだけですからねえ。 キャブの頭が完全に見えるようになったら、3本のネジ(赤い矢印のところ)を外して蓋を取る。 そこからのぞき込むと、こんな感じ(残念ながら写真を取り損なったので、ここからはお遊びがてら作った超テキトーCGで失礼)。 バルブを上下させるアームの奥に、曲玉のような形の金属で固定された金色の物がニードルです。 斜めから(キャブ本体を半透明にして)見るとこんな感じ。 このスライドピストンバルブ(以後バルブ)自体をキャブ本体から外してしまえば作業は楽なんですが、簡単には取れないのでキャブに入ったまま作業します。 まず1のボルトをヘックス(たしか5ミリだったはず)で緩めます(ちょっと緩めればいい)。 が、キャブの奥なのでかなり長目のヘックスが必要です。 ちなみにスロットルをひねればバルブが手前にせり出すのですが、そうなるとバルブを操作するアームがこのボルトを完全に覆ってしまうのでこの状態で作業せざるをえません。 で、緩めるためのヘックスですが、この作業のためのみに工具を買うのもばからしい。そこで、私はあこういうものを買いました 精密ドライバーセット。プラスドライバー4種類(左側)、マイナス6種類(右側)ヘキサゴンドライバー雄3種(3、4、5mm)とメス3種。 しかも写真にも写っているが、このヘックスドライバーには穴があけられていて、そこに他のドライバーや右上の棒を突っ込む事で結構なトルクをかける事ができる優れもの。 これなら長さもばっちりだし、バイクパーツを扱う事も可能。 それに精密ドライバーのたぐいはコンピュータなどいろいろ用途があるのであると便利ですし。 っていうかこれまで何で持ってなかったかと言うと・・・持ってたけど人に貸したらそいつ失踪しちゃって・・・で帰ってこなかったのよ、プラスとマイナスだけの精密ドライバーセットが。 今頃どうしてんだろうなぁ、あのバカ。 話を元にもどして・・・今回のセットはツールカンパニーストレートで買いました。具体的な値段は忘れちゃったけど、安かったざんすよ。 緩めたら2の曲玉みたいな形状の金属をスライドさせる。 すると、ニードルが引っ張り出せるようになるので、ラジオプライヤーで引っ張り出す。 で、やっぱり距離があるのと狭いのとが重なるので、細くて長〜いラジオプライヤーが必要です。こんな感じね。 ちなみに秋葉原でニッパーや普通のラジオプライヤーなどの5本セットで特価500円。つまり一本100円で購入。ピンセット程度の目的でしか使わないからこれで十分。強度が必要なところ用は後日ちゃんとしたのを購入します。 TONEの折っちゃったし(チェーン交換の項目参照の事)。 これがニードル。 これでハーフスロットル時の燃料供給を機械的に制御している・・・ををう、アナログですな。 上部に溝が5つ刻まれており、ストックでは中間位置にCリング(Eか?)がはまっています。 この位置をずらすことで、燃料供給具合を微調整できるわけです(リングを無くすなよ!)。クリップ位置を下に下げると、ニードルの位置が高くなって燃料が濃くなり、逆にすると薄くなります。 で、今回は燃料が薄めだったのでクリップ位置を下に下げました。 あとは逆の手順で元に戻しておしまい。
早速運転。 中速トルクが滅茶苦茶出て、スタートが楽になりました。 これまでは結構デリケートにスロットルを扱わなければならなかったが、調整後はラフにひねってもぐいぐい車体を押し出してくれる。 燃調具合を見るために、ハーフスロットルを多用して走行(フルスロットルにするとメインジェットの影響をモロに受けるため)後、プラグを見る。結構良い色。ちょっと薄いかもしれないが、作業が面倒くさいのでそれは本調整の時にしよう。 次はメインのチェック。 フルスロットルを多用して走行。やっぱこっちも燃調が合ってないらしく不正爆発音がする。メインジェットの番数を上げてみるか。 早速調整。走行中にフューエルバルブをOFFにして、フロートのガソリンを極力減らしておく。メインジェットの蓋を外すとフロートのガソリンが漏れるからだ。 エンジンが冷めるのを待って、エアクリを外し、メインジェット交換用の蓋(フロートのドレンボルトでもある)を取る。赤い矢印のがそれ。ちなみにこの辺の写真は携帯を使用。結構使えますな。 外すとびちゃびちゃとガスが漏れるので注意。 蓋を取るとこんな感じ。先っちょにちょこんとくっついているネジがメインジェット。こいつを入れ替える事でハーフからフルスロットルまでの燃料供給量を調整する。 このジェットをマイナスドライバーで緩め、取り外す。精密部品のくせに意外としっかり閉め込んである。しっかりやらないとナめます。 ちなみにストックのメインジェットは160。付属している調整用ジェットは155と165の2つだけ。もっとシビアに調整する場合、国内仕様のTMR用のジェットがそのまま使えるのでそれを使用しましょう。 マイナスでストックのジェットを外したら、165の濃い方(数字が高い方が濃くなる)に交換。デリケートな部品なので、ゴミの付着や穴の部分の破損に注意。
走行。フルスロットルにしてもカリカリ言わなくなった。走行後、プラグの焼け具合をショップにも見てもらう。 ちょっと薄めだけどイイんじゃない?というお言葉を頂戴しました。 これにて仮調整終了!!と・こ・ろ・が。 ワイヤリングしたリアシリンダー側のエキゾーストフランジボルトが・・・何故か抜けてきた。ワイヤリングしてるのにどうして抜けてくるのかなあと増し締めしようとすると・・・「ぬるっ」。あのイヤ〜な感触が・・・。 走行しているうちにネジ山ごと抜けやがった…! ってなわけで入院してしまいましたとさ・・・。 せっかくキャブ調整したのに…(涙)。
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