四気筒ニ非ズハ…

キャブ調整を必死にして、どうにか一定期間プラグ交換せずに走れるところまで持って行ったんですが、アイドリングが非常に不安定でして、いきなり2000回転になったりストールしたりするんですよ。
仕方ないので、頻繁にアイドリング調整ノブを回していたんですが、突然指先からノブの感触が無くなってしまいまして…。
あわててバイクを止めて見てみると、ノブの、指で回す部分がすっぽり抜けていました。
常にスプリングで抜ける方向にテンションがかかっている上、頻繁に指で触っていたので抜けてしまった模様。
つうか差し込んであるだけかい…。
抜けないように外側に向けてテーパーにするとか、段を付けて外に抜けないようにするとかあっただろうに…。
困ったのは、まず間違いなくこのノブが再入手困難な代物であること。
探し出さなくてはならない。
探しましたよ、信号が変わる度に、感触が無くなった場所を中心に1時間ほど探し回りました。
しかも片側3車線。
そして遂に発見。

見つけたときの感動ったらあーた・・・。
困ったのは、そのまま刺してもまた抜けてしまうであろうこと。
スプリングがなければ抜けにくくなるでしょうが、それだとスロットルを開けている最中にガンガンまわってアイドリングが滅茶苦茶になってしまう。
とりあえず帰宅まではそれで騙し騙し帰って、対処は帰ってから考えることにします。

このように、本当にたださしこまれているだけのノブ。
一体どうすれば・・・。
そこで名案。

ちょうどシャフト穴ぎりぎりのワッシャーがあったので、こいつを差し込んでシャフト自体の段差でスプリングの力を受けることにしました。

それにしてもちょっとかぶるだけで、すぐに使えなくなってしまうプラグ。
そのくらいで駄目になるのはプラグが悪いんじゃなくて、プラグまでの電気が弱いからじゃないのだろうか??
ずいぶんコイルもやれているし、弱っている可能性は否めない。
思い切って替えてしまおう。
ところが、市販されているZ用リプレイスコイルはKZと互換性が無いという。
そうなるとダイナコイルにするしかないのですが・・・仕方がないか。

早速交換しましょう。
ハーレーのダイナコイルのように「XX専用」となっていれば、交換なんて屁みたいな物なんですが、汎用品となるとまずそうはいきません。
プラグコードも買いましたが(これまで使用していた奴も使えないことはないんですが、端子が無いので端子を別に用意する必要がある)、長さを自分で調整し、コイル側端子を装着する必要があります。
説明書には専用工具ではなく「プライヤー」と書いてあったので、専用工具の購入は見送りました(はっきりいって必要です)。

カッターを用意します。

真ん中の配線に傷を付けないように、慎重に皮をむきます。

うまくいけば、このようにずるずると・・・。

1.5~2センチ芯を残して切断。防水カバーを付けます。
この防水カバーがキツキツの設定なので、ちゃんととりつけるのが大変で大変で・・・。
グリスを使って挿入。

これが・・・理想的な端子装着状態。
私がこんなに綺麗にカシメたわけじゃございません。
これは手元に残っていたハーレー用のプラグコードの残骸。

このように芯を折り曲げて端子に巻き込む形で接続されております。
こいつをお手本にやってみましょうか。
ところが・・・これが大変なんです。
カシメて装着すること自体は問題ないんですよ。
問題は、コイルの穴に綺麗にはいるように、綺麗な円形にカシメること。
これが非常に難しい。
今回の作業でもっとも大変だったのはこの一点につきます。
あまりの大変さに写真を取り忘れてしまいましたが、変なカシメ方をするとコイルからプラグコードを抜こうとしたとき、コードだけ外れて端子がコイルの中に置き去り・・・。
それは避けたひ。
悪戦苦闘の末、なんとかコイルから抜き差しできる程度のカシメに成功。
コイル本体の交換に着手します。

古いコイル取り外し。
上側にプラスドライバーの頭があるので、ついついそいつに手を出したくなるんですが、それを直接緩めようとしてもナメてしまう事確実。
下側のナットを緩めて外しましょう。
で、付けようとするのですが・・・本体の固定方法がよくわからない。
翌日ツーリングで時間がないので、とりあえずタイラップで・・・。

帰ってきてから取り付けを考え直します。
赤いのは液体絶縁です。
ちなみにこのコイルにはプラス、マイナス極性は無いそうで、好きな方に(取り回しが楽な方)に自由に付けられるそうな。
帰ってきてからつけなおし。
コードが長すぎるので、元々の配線を一部取り外し。

これならボルトで完全に固定できます。
しかしプラグコードがタンクと干渉するんですよ。
つうかフレーム前方の汚い溶接でつけられた補強プレートが邪魔すぎる。
色々試して、知恵の輪のようにプラグコードを前方、補強プレート内側から下に向けて取り回すことに成功しました。
やれやれ。
ちなみに、このコイル装着でいくつかわからないものが・・・。


これらがコイルと共締めされていましたが、サービスマニュアル見てもイマイチ何のパーツかわからんのですよ。
手元にあるのはポイント用なんで、セミトラ用のコンデンサみたいなモンなのかも知れませんが・・・。
わかる人がいたら教えてください。

コイルを替えたら絶好調。
やっぱりコイルがへたっていたんですねえ。
しかし、やがて2500~3000回転くらいでレブッたような症状が出て、それ以上回らなくなってしまった。
黒煙が出ている訳じゃないので、やっぱり点火系か。
しかし、2500以下だと調子が良い。
これはポイントのガバナーが固着して開かなくなってしまったのかも知れない。
早速ばらしてみると・・・。

ポイントじゃない。
俺の年式はポイント点火なはずなのに、何故かセミトラがついている。
それともこのLTDはセミトラの仕様なのか??
セミトラだと点火時期調整の仕方がよくわからなくて嫌なんですよね。
ダイナ2000に交換ってのも、なんか月並みだし・・・。
まあとりあえずバラしてちゃんとオイリングしなおします。
三本のボルトを外すだけでガバナー露出。
ハーレーと違い、長穴加工はされておらず、どうやって点火タイミングを調整するのかわかりません。
真ん中のWナットを緩めてみても先端が動くことはなく、一体どうやって調整するんでしょうか???

とまあわからない事だらけですが、オイルを差しましょう。
ガバナーの支点や、シャフトの内部等、ここぞと言うところに潤滑スプレーをちまちまやりました。
ただ、どんな潤滑油がいいのかわからなかったのでテフロンの奴をとりあえず・・・。
エンジンオイルだと寒いときにまずそうですし、持っているハイテンプグリスやモリブデングリスも粘度が高すぎて・・・。
というわけで試乗。
ばっちり4000以上回ります。
良かった良かった。
しかし、5000を超えると壊れそうな振動が出てきて・・・。
メーターでは8000とか書いてありますが、とてもそんなに回す気になりません。
調子の良いZに乗ったことがないので、これがどういう状況なのかさっぱりわからないのがツライ。

 

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