四気筒ニ非ズハ日本車ニ非ズ!!

ヤフオクで誤って落札しちゃったの…の巻

事の起こりは4月中旬。
休みゼロの出張で疲れていた私は、ヤフオクに一台のバイクが出品されているのに気がついた。
4発チョッパー。
デンバースタイル。
昔っから欲しかったバイクだ。
実はKZ1000LTDを購入した時も、こんな風にチョップして乗る為のベース車を探していて、「安い奴が見つかった」と見てみたら、綺麗過ぎる外装に チョップを諦めた経緯があった。
それもあってかなり興味津々で見ていたのだが、価格もそこそこ安い。
安いけど、どうせ高値が付いて誰かに持って行かれるだろう。
そう思って、疲れてた俺は開始価格の値段で入札をした。
記念入札って奴だ。
すんごいバイクや、ザクなどの面白い出品物を見ると、時々やりたくなる記念入札。
さてさて、いくらまで上がるのかな。
そう思って回線を切って仕事に戻ったのだった…。
数日後、メール欄にオークション終了のメールが来ていた。
あれ、何か俺入札してたっけ?
そういえば70年代の雑誌を入札してたような記憶が…なんて思ってメールの中身を確認したら…。
これでした。
俺が記念入札を入れた後、誰も入札する人がおらず俺の所に落ちてきてしまったのだ。
世の中チョッパーブームなんて言われてるのに、なんてこったい。
世の中の奴等はわかってねーなー、この格好良さを。
なんて嘯いてみましたが、買ってしまったわけです。
そんな気全くなかったのに。
金銭面でもちょっと辛いですが(それでも貯金があったので不可能じゃないのが救いでしたが)、置き場所とか色々と辛すぎる。
幸いこの直後、住居付きガレージの物件を見つけて転がり込むことが出来たので結局丸く収まりましたが…。
しかし問題はここからです。
この車両、車検どころか、日本にすらありません。
まず、アメリカから運搬する必要があったのでございます。
写真でしか物を見ていないのですが、間違いなくそのまま車検が取れるはずもありません。
休みの無い出張が続いてた事もあり、気が遠くなりそうです。

まずはアメリカからの運搬です。
当然船便を使いますが、個人ではどうしようもないので、出品者さんと共に名港海運さんという運送、通関業者を使うことにしました。
金がないので梱包せず、裸で船に突っ込んでもらいます。
あちらのスケジュールから日本到着の日時を調整し、港まで取りに行くことにしました。
そしてその間に、日本で登録するべく準備を重ねます。
まず必要書類を確認。
日本で車検を取る場合、通関証明書なるものが必要ですが、このバイクは70年代のカワサキのエンジンのチョッパー。
通関証明書だけでは検査基準が現代の基準となってしまい、排ガス検査によって100%車検は取れません。
更に資格を持ったライダーと専用の検査場における制動テストも必要になる可能性があり、その制動テストには100万ぐらいかかってしまうと言う、事実上の 登録不可能状態になってしまいます。
それをクリアする為には、70年代当時にこのバイクが作られたことを証明する物、俗に言うピンクスリップなるものが必要との事。
これがあれば、70年代当時の排ガス基準、騒音基準で良く、更に100万もの検査料を使った制動テストも不必要になるという魔法の書類であります。

まずは出品者さんよりピンクスリップを取り寄せます。
そしてバイク屋さんと色々と下準備。
まずは予備検に向けた整備の為の打ち合わせです。
チョッパー屋ではない国産バイク屋(エンジンがカワサキだから)で整備することにしたので、扱ったことのないスプリンガー、しかも突起物扱いされかねない スプリンガーではリスクが大きいので、中古のフロント周りをゲットし、ロングチューブで長さを合わせて予備検に挑むことにしました。
ブレーキらしいブレーキが付いていない、スプリンガーは予備検を取った後にブレーキを付けて元に戻す。
エンジンはOHが必要かもしれないので必要パーツの在庫のチェック。
ウインカー等がついていないようなので、その手配。
一通り済ませた上で、バイクの上陸を待ちます。



そして、いよいよバイク上陸の日。
事前に通関業者さんに輸入許可証明書等の書類を郵送していただき、会社を休んでバイク屋さんに直行。
ハイエースに乗り込んで、いざ大黒ふ頭へ!!
ドリフトしに行ったことはあっても、物を取りに行ったことがない我々は迷いまくった挙げ句、端の方の一角へ到着。
車の間にぽつんと放置されていたバイクを発見!!
そこにいた職員と簡単な(本当に簡単な)やりとりをし、バイクをハイエースに載せます。
しかし、車体が重い。
試しにキックを踏んでもエンジンはかからず、二人がかりでフウフウ言いながら漸く積載に成功しました。
ハイエーススーパーロングでもギリギリ(リアシート有り状態)。
勿論これで終わりではありません。
通関させて、通関証明書を貰わなくてはならないのです。
そのために税関のX線検査所で検査をしなくては。
通関業者さんに教えて貰っていたので場所はすぐにわかりましたが、書類を持って中に行くと、「2時開始なのでそれまで待ってください」とのこと。
それとバイクの検査ではあっても、必ず積載車ごと検査し、載せたまま車両ごとX線の機械に入れるらしい。
つまりその間、なーんにもやることが無い。
暇だなー、写真でも撮って遊ぼうかなー、とカメラを出した瞬間「ここは撮影禁止です!外観も全部撮影しないでください!」って言われてしまった。
麻薬等の密輸阻止の最前線。
撮影禁止は納得できます。
しかし…まあ詳しくは書きませんが、この管轄外の諸々がザル過ぎて、すり抜けて密輸なんて簡単にできちゃいそうに感じてしまいました。
航空便とか体に付けて飛行機で密輸しようとする奴がニュースに出ますけど、本当に馬鹿だよなぁと(略
というわけで、入管の写真はございません。
さて、時間が来たので再び窓口へ。
ハイエースを係官の誘導に従って、建物の中の機械へ載せます。
ばかでかいX線の機械で、撮影できないのが残念至極。
輸入に携わってる人は、是非ともここへ来て、この壮大な機械を拝んでおくべきじゃなかろうかと思ってしまうほどでした。
で、関係者全員建物の中に。
そして外からロック。
つまり、検査中は全員身柄を拘束し、変な物が出たら即逮捕…。
まじかよ、怖え。
変な物が出るわけでもなく検査はあっけなく終了。
しかしまだまだ続く。
検査合格の書類を持って別の事務所へ行き、肝心の通関証明書をもわらなくてはなりません。
この別の建物がなかなか見つからず、大変な思いをしました。
輸入される方は、事前に行くべき建物の相関関係を頭に入れておかないと、無駄に体力とガソリンを使用する羽目になってしまいます。
なんて言っているウチに、漸く該当の窓口を発見。
書類をやりとりして・・・遂に通関証明書をゲットしました!!!
暗くなったショップに意気揚々と帰ると、初めてテレビを見たアフリカの○人のような目つきの人だかりができましたとさ。

記憶が曖昧な輸入手順
・通関業者を選定
・売り主からピンクスリップを郵送して貰う
・ARRIVAL NOTICEという書類をファックス等で通関業者からもらう。
・輸入申告控、検査指定表を通関業者からもらう
・通関手数料を通関業者に振り込み
・貨物引取先(今回は大黒ふ頭)へGO!
・バイクを積載したら税関検査場へ
・身柄を拘束されながらX線検査
・検査が終わったら書類を受け取って(記憶が正しければ)、横浜税関の窓口へ
※注※
検査場の窓口に行く時は、必ず全部の書類を持って行きましょう。階段駆け上がって窓口行ったら書類が足りません、って言われて往復する羽目になりますし、何より窓口が閉まるのが結構早い。
・通関証明書をゲット!

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